「いい香り」として世の中に出回っているものが、実は体に悪影響を及ぼしているかもしれない――
そんな可能性をご存じでしょうか?
近年、柔軟剤や消臭スプレーなどの人工的な香りによって不調を訴える「香害(こうがい)」が問題視されています。
特に注目されているのが“マイクロカプセル技術”と呼ばれる香料の持続技術。
その裏には、知らず知らずのうちに体に取り込んでいる化学物質の存在があります。
この記事では、香害の主な原因と健康への影響、そして今日からできる対策について分かりやすく解説します。
1. 香害の主な原因とは?
香害は、日常生活で使っているさまざまな香り製品に含まれる化学物質が原因で起こります。
特に問題視されているのが以下のような技術や成分です。
マイクロカプセル技術とは?
- 柔軟剤や消臭剤の香りを長時間持続させるために開発された技術。
- 摩擦(肌や衣類とのこすれ)によってカプセルが破壊され、香料や化学成分が空気中に拡散。
- それを周囲の人が無意識に吸い込み続けることになります。
このマイクロカプセルの中には、以下のような化学物質が使われることがあります
- メラミン樹脂・ウレタン樹脂:呼吸器系や神経系に影響を及ぼす可能性あり。
- 揮発性有機化合物(VOC):頭痛・吐き気・集中力低下の原因にも。
合成香料による影響
- 柔軟剤、芳香剤、香水などに使われている合成香料にも注意が必要です。
- 一部の合成ムスクは生物分解されにくく、体内や環境中に蓄積することが分かっています。
- ホルモンバランスへの影響や、アレルギー・アトピーを悪化させるリスクも指摘されています。
身の回りに広がる香害のリスク
- 香りは衣類や家具、カーテンなどに残留しやすく、何日も香り続けるケースも。
- 自宅だけでなく、職場・学校・公共交通機関などの空間でも他者に影響を及ぼす可能性があります。
2. 香害が引き起こす健康リスク
「いい香り」と思っていたものが、実は健康にさまざまな影響を及ぼしているかもしれません。
呼吸器系への負担
- 咳
- 喉のイガイガ
- 呼吸困難など。
神経系への影響
- 頭痛
- めまい
- 倦怠感
- 集中力の低下など。
アレルギー反応
- 皮膚のかゆみ
- 湿疹
- かぶれ
- 化学物質過敏症の発症。
長期的な蓄積リスク
体内に蓄積された化学物質が、内分泌かく乱や発がん性を引き起こす可能性も指摘されています。
3. 今日からできる香害対策
香害から身を守るために、今すぐできる行動があります。
✔ 無香料・無添加の製品を選ぶ
洗剤、柔軟剤、消臭スプレーなどは「無香料」や「植物由来」と明記されたものを選びましょう。

✔ こまめな換気を習慣にする
化学物質を室内にこもらせないために、1日数回の換気を意識して。
✔ 衣類の香り残りに注意
自分が使わなくても、家族や職場の人の衣類に付着した香料が原因で体調を崩すことも。
衣類をシェアする際は注意が必要です。
✔ 周囲への理解を広める
香害はまだ広く知られていない問題。SNSや日常会話で優しく共有し、少しずつ理解を広げていきましょう。
まとめ:まずは「知ること」から始めよう
香りの裏に潜む化学物質のリスク。まだ認知度が高いとは言えませんが、「知ること」が健康を守る第一歩です。
「香りに敏感」「頭痛や不調の原因が分からない」と感じている方は、一度身の回りの香り製品を見直してみませんか?
そして、できることから少しずつ――。心と体にやさしい暮らしを、一緒に目指していきましょう。
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